日本で唯一の挿し木ヒノキ在来品種に認定されています。

南郷檜について

阿蘇南郷檜とは

阿蘇地方で中世。江戸期から植え継がれてきた
ヒノキの挿し木品種です。遡れる歴史の長さから、
古くからこの地域で独自に育てられてきたことがわかっています。
挿し木ヒノキの在来品種として全国で初めて認定され、
国内唯一のヒノキ林業品種(基準品種)になりました。
(挿し木品種としてナンゴウヒの苗は各地に提供されています。
挿し木品種は他県にもありますが、品種として、
その遺伝子の持つ特性と歴史とにおいて国内唯一の品種です)

実生と、挿し木の違い

他種ヒノキ:実生の場合

他種ヒノキ:実生の場合

<実 生>

実から種を採種し育てる。一般的なヒノキは
実生がほとんどで母樹の樹形を引き継ぐか
分からない。徳利病になりやすい。

ナンゴウヒ:挿し木の場合

阿蘇南郷檜:挿し木の場合

<挿し木>

枝を直接挿して育てる。発根や着生が難しく
知識や技術が必要。母樹の樹形を引き継ぎ、
根元から直立している。

発見は偶然でした。

発見は偶然でした。

「阿蘇地域には、造林の文献に載っていないヒノキがあるらしい」という
情報をもとに、特定されたのは60年ほど前のことでした。
1953年(昭和28年)、阿蘇を源流とする白川下流域に甚大な被害を
もたらした「6.26熊本大水害」を調べるために、九州大学が率いる
調査チームが現地に入り、偶然にも発見されました。
阿蘇カルデラの南郷谷で最初に発見されたことから「ナンゴウヒ」と
名付けられ、その希少性を内外に知らせることとなりました。

阿蘇の地形が生んだ、類い希なヒノキです。

発見は偶然でした。

もともと阿蘇地方ではナンゴウヒのことを「ジヒノキ」「昔ビ」
「ホンピ」「サクラヒ」とも呼ばれ育てられてきました。
日本各地で、ヒノキを「火・日・霊の木」と呼び、
古くから最高級の建築用材として用いられてきましたが、
阿蘇 南郷檜はこうした各地ヒノキとは異なった特性を持っています。
意外にも、その独自性、特性が広く知られたのは近年のこと。
現在こそ道路整備され、アクセスしやすくなった阿蘇も、
100年前は外輪山に囲まれた陸の孤島を成しており、
こうした環境が独自の挿し木ヒノキ継承を生む銘木を育ててきたのです。

阿蘇のヒノキ01
阿蘇のヒノキ02
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